チッチの推薦図書

131-戦争の未亡人(1919年制作)

131-戦争の未亡人(1919年制作)

―ポール・セリュジエ(Paul Sérusier 1864-1927)ー 

 

 ゴーギャンを慕いポン=タヴァン村に訪れた芸術家たちの中から【ナビ(ヘブライ語で予言者という意味)派】というグループが誕生しますが、その創設とグループを理論的に支えたのがこのポール・セリュジエです。彼の画風を一言でいい表すならば、ゴーギャン、ムンク、ゴッホの画風にアールヌーヴォーを加えたもの、といったところでしょうか。ナビ派の中ではゴーギャン色が最も強く、ゴーギャンの平面的画面構成による迫力演出をさらに1、2歩進めています。

 

2020年:冬のお薦めの1枚 No.1

掲載日:2020年12月4日

132-田舎の食堂(1913年制作)

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―ピエール・ボナール(Pierre Bonnard 1867-1947)ー 

 

 ボナールはナビ派の創設者の1人で、ナビ派の中で最も浮世絵の影響を受けた画家です。ボナールは街や農村といった屋外の風景画ではなく、もっぱら室内風景を描き、仲間のヴュイヤールと共にアンティミスト(親密派)と呼ばれました。年追うごとに華やかで柔和な色彩となり、ポスト印象派の画風を究めたといっても過言ではないでしょう。生涯を通してボナールの作品は売れ、安定した人生を歩んだ幸せ者です。

 

2020年:冬のお薦めの1枚 No.2

掲載日:2020年12月7日

133-塔の中の王女(1914年制作)

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―モーリス・ドニ(Maurice Denis 1870-1943)ー 

 

 ドニはナビ派の中でも最も宗教性が強く、モダニズムにおける宗教美術を追究した画家です。また、理論著述家として重要な功績を残しており、最も早く【絵画における平面性】に注目した1人であり、また、近代絵画には【個人の感性】を活かすことが重要であることを一早く明文化した人物でもあります。年追うごとに画風が変化してゆき、最終的にはフォーヴィスムの色彩とアール・ヌーヴォーの柔和な形態を合体させた華やかな象徴主義の画境になりました。

 

2020年:冬のお薦めの1枚 No.3

掲載日:2020年12月9日

134-室 内(1902年制作)

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―エドゥアール・ヴュイヤール(Édouard Vuillard 1868-1940)ー 

 

 以前ご紹介したボナールと同様に、もっぱら室内風景を描いた画家です。ボナールと違うのは装飾性豊かなところです。日本実術においては屏風絵の影響を強く受けています。絵画のみならず、舞台や衣装のデザインなども手掛け、生前は幅広く活動しました。ヴュイヤールの画風は、ルドンの後半生の華やかな象徴主義に、ポスト印象主義の平面性と、ラファエル前派の細密性を融合させた、といえば分かるでしょうか。ルネサンス絵画や中世タペストリーの影響も見られます。

 

2020年:冬のお薦めの1枚 No.4

掲載日:2020年12月14日

135-草木の風景(1918年制作)

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―フェリックス・ヴァロットン(Félix Edouard Vallotton 1865-1925)ー 

 

 ヴァロットンは1896年頃からナビ派に参加します。スイス人なので【外国人のナビ】と称されました。ナビ派参加前は木版画で名を上げ、今では近代木版画の発展期における重要人物という評価を得ています。キルヒナーやビアズリーにも少なからず影響を与えたようです。晩年は記憶と空想から創作する【合成風景画】に力を入れました。おもしろい絵ですよ。絵によっては多少エドワード・ホッパーのような雰囲気もあります。

 

2020年:冬のお薦めの1枚 No.5

掲載日:2020年12月21日