チッチの推薦図書

001-カフカ短篇集(1904~24年制作/岩波文庫)

001-カフカ短編集(1902頃制作)

―フランツ・カフカ( Franz Kafka 1883-1924)ー 

 

 カフカの作品は不安と不条理に満ちあふれていますが、ユーモラスに描かれているため、残酷という感じがしません。残酷なものを残酷に描かないところにかえって残酷さを感じます。カフカといえば【変身】【訴訟(審判)】【城】などが代表作ですが、まずは短篇小説から楽しんではいかがでしょうか。短篇集といってもショート・ショートも多いですし、難語や凝った表現もないので、気軽に読めるかと思います。

 

2022年:冬のお薦めの1冊 No.1

掲載日:2022年2月1日

001-サキ短篇集(1904~16年制作/新潮文庫)

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―サキ( Saki 1870-1916)ー 

 

 O・ヘンリーの名前を知っていても、サキを知らない人は多いのではないでしょうか。しかし、サキはO・ヘンリーと並ぶ短篇の名手であり、欧米ではO・ヘンリーとともに親しまれている作家です。サキの作品はあっと驚く意外な結末ばかりです。しかもその結末はえてして残酷非情で、ブラックユーモアが効いたものばかりです。サキは華美な修飾を用いず、簡潔な文体でもって人間の運命の厳しさを淡々と描きます。

 

2022年:冬のお薦めの1冊 No.2

掲載日:2022年2月16日

003-モデラート・カンタービレ(1958年発表/河出文庫)

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―マルグリッド・デュラス( Marguerite Duras 1914-96)ー 

 

 本作品は「アルベール・カミュの【異邦人】やモーリス・ブランショの【死の宣告】とともに、小説のジャンルに新しい生命を吹きこんだ」と評価された名作です。非常に薄い小説なので、楽に読めますよ。で、どういうところが新しいかというと、この小説には内面描写がほとんどなく、ほぼほぼ会話文と外面描写で構成されているんですね。デュラスは1992年に公開された英仏合作の映画【ラマン(愛人)】の原作者で有名です。

 

2022年:春のお薦めの1冊 No.1

掲載日:2022年4月5日

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