チッチの推薦図書
001-カラスのいる麦畑(1890年7月制作)
―フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent Willem van Gogh 1853-90)ー
11月からウィレム・デフォー主演の【永遠の門 ゴッホの見た未来】が上映開始ということで、ゴッホの絵を1枚ご紹介します。制作されたのは夏の7月ですが、この絵を見るとチッチはいつも秋を感じますし、とにかくチッチはこの絵がお気に入りなので、今回はこの1枚を選びました。原色を多用した強烈な色彩と、長めの筆触に渦巻く筆触、目に見える風景に目に見えない内面世界を重ねて表現したゴッホの手法は、後の野獣派や表現主義に大きな影響を与えました。
2019年:秋のお薦めの1枚 No.1
掲載日:2019年9月7日
002-解 放 者(1947年制作)
―ルネ・マグリット(René François Ghislain Magritte 1898-1967)ー
マグリットは物を現実ではありえない場所に配置したり、ありえないサイズで描いて鑑賞者を驚かせる【デペイズマン】の使い手です。しかも、ただ驚かすのではなく、絵には深い哲学的意味が込められており、鑑賞者を知的冒険に誘います。絵の内容はぶっ飛んでいますが、描法自体は古典的で、筆触のないなめらかな仕上がりです。ちなみに、チッチは2015年に六本木の国立新美術館で開催された【マグリット展】に行って、生の絵を見ています。
2019年:秋のお薦めの1枚 No.2
掲載日:2019年9月10日
003-夜更かしする人々(1942年制作)
―エドワード・ホッパー(Edward Hopper 1882-1967)ー
ホッパーの絵では、たいてい人間は小さくぽつんと描かれ、逆に建物の方は大きく描かれています。つまり、ホッパーの絵においては建物が主役で、人間は脇役に追いやられているのです。そして、ホッパーの絵に登場する人々は散り散りで、表情は固まっており、キャンバスからは現代人の孤独と寂寥感が感じられます。鮮やかな色彩による大胆な明度対比が彼の特徴であり、そのため、彼の作品はどれもこれも明度と彩度を強めた加工写真のような印象を受けます。
2019年:秋のお薦めの1枚 No.3
掲載日:2019年9月14日
004-フォリー・ベルジェールのバー(1882年制作)
―エドゥアール・マネ(Édouard Manet 1832-83)ー
つい先日、東京都美術館に行って【コートールド美術館展】を見てきました。展覧会の目玉は、マネの最晩年の傑作である【フォリー・ベルジェールのバー】で、生で見てきたので今回ご紹介します。実は、中央のバーメイドの腕は、現実ではありえないほど長いんですね。バーメイドの鏡像も右に寄り過ぎて、こちらも現実ではありえません。これは画面のバランスを取るためであり、画家はこういう手をけっこう使います。写実画には常に幾分の嘘があるものです。
2019年:秋のお薦めの1枚 No.4
掲載日:2019年9月18日
005-ジャンヌ・エビュテルヌ(1919年制作)
―アメデオ・モディリアーニ(Amedeo Clemente Modigliani 1884-1920)ー
ジャンヌ・エビュテルヌはモディリアーニの内縁の妻です。モディリアーニはジャンヌの肖像画をよく描きました(貧乏だったので、モデルを雇えなかったんですね)が、本作品はモディリアーニの最晩年の作品です。アーモンド形の顔に、長く引き伸ばされた体、そして瞳のない目と、モディリアーニが生みだす人物のフォルムは独特です。ジャンヌはモディリアーニが死んだ後、すぐさま投身自殺してしまいました。わずか21歳の生涯でした (._.)
2019年:秋のお薦めの1枚 No.5
掲載日:2019年9月26日