チッチの推薦図書

121-ニースの窓辺(1928年制作)

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―ラウル・デュフィ(Raoul Dufy 1877-1953)ー 

 

 デュフィのスタイルは大雑把にいうと、フォーヴィスム(野獣派)にシャガールのスタイルを足したものといえばピンと来るでしょうか。マティスの絵を見て感動し、以降フォーヴィスムの色遣いを自身の絵画の基本スタイルに据えます。マティスと同様【色彩の魔術師】の異名を持っていますが、色遣いはマティスよりも軽妙で、べったりとしていません。チッチは以前デュフィの回顧展に行って、生で作品を見て来ています。華やかでウキウキする画風でしたね。

 

2020年:秋のお薦めの1枚 No.11

掲載日:2020年10月21日

122-母 の 愛(1914年制作)

122-母 の 愛(1914年制作)

―オトン・フリエス(Achille-Émile Othon Friesz 1879-1949)ー 

 

 前回ご紹介したデュフィの生涯の友人が、このフリエスです。フリエスもまたマティスやデュフイとともに、色彩豊かなフォーヴィスムのスタイルでもってアカデミック美術に反抗しました。反骨心に富んだ行動派で、【秋季展】に【独立展】と従来の保守的なサロンに対抗して新設された展覧会に出展し、また国を越えて【ベルリン分離派展】にも参加し、さらにはニューヨークの【国際現代美術展】にも参加しています。知名度低いですが良い画家です。

 

2020年:秋のお薦めの1枚 No.12

掲載日:2020年10月22日

123-静 物(1957年制作)

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―ジョルジョ・モランディ(Giorgio Morandi 1890-1964)ー 

 

 一時期、ジョルジョ・デ・キリコの影響を受けて形而上絵画を描いていましたが、それ以降はずっと静物を描き続けた画家です。描くモチーフはいつも瓶や水差しで、配置を変えてくり返し描きました。静物画といっても、厳密な写実というわけではなく、やわらかな着色によって、実際のツルツルとした質感やくっきりとした形態が大幅に削がれています。つまり、これは抽象の領域に入っており、モランディは半分具象半分抽象の静物画を描いているんですね。

 

2020年:秋のお薦めの1枚 No.13

掲載日:2020年10月30日

124-空気、鉄、水(1937年制作)

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―ロベール・ドローネー(Robert Delaunay 1885-1941)ー 

 

 詩人アポリネールはドローネーの色鮮やかなキュビスムを、ピカソとブラック式のキュビスムと区別して【オルフィスム】と呼びました。ギリシャ神話に出てくる竪琴の名手のオルフェウスにちなんでの命名であり、アポリネールがドローネーの絵から色彩のハーモニーを感じたのでしょう。簡単にいえば、キュビスムの多視点描法にフォーヴィスムの鮮烈な色彩を融合させたのがオルフィスムです。抽象絵画の先駆者でもあり、表現主義のグループから愛された画家です。

 

2020年:秋のお薦めの1枚 No.14

掲載日:2020年11月2日

125-トランプのゲーム(1917年制作)

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―フェルナン・レジェ(Fernand Léger 1881-1955)ー 

 

 レジェはキュビスムに大きな影響を受け、後にキュビスムの一派である【ピュトー・グループ】に参加します。このグループは初期キュビスムにない色彩の華やかさがあります。ピカソは「キュビスムとしては軽く、大衆受けを狙っている」と批判していましたが、しばらくして自身もキュビスムに色彩を取り戻すことを模索し始めます。レジェは円筒を多用するので、キュビスム(Cubism立方体主義)をもじってチュビスム(Tubism土管屋)と皮肉られていました。

 

2020年:秋のお薦めの1枚 No.15

掲載日:2020年11月9日