チッチの推薦図書

086-オフィーリア(1852年制作)

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―ジョン・ミレー(Sir John Everett Millais, 1st Baronet 1829-96)ー 

 

 本作品はミレーの最大の傑作であると同時に、ラファエル前派の絵画の中でも傑作中の傑作であり、さらにはイギリス絵画史上1、2位を争うほどの最高傑作です。ヨーロッパ中の画家がこのミレーのオフィーリアをお手本としました。ロセッティと違ってミレーは、どんな細部も緻密に描く細密描写の腕前の持ち主で、いざ生でミレーの絵を見ると、目がすごく疲れます。なお、ミレーはイギリス画家としては初めて【準男爵Baronet】の地位を得ています。

 

2020年:夏のお薦めの1枚 No.1

掲載日:2020年6月1日

087-雇われの羊飼い(1851~52年制作)

087-雇われの羊飼い(1851~52年制作)

―ウィリアム・ホルマン・ハント(William Holman Hunt 1827-1910)ー

 

 ロセッティとミレーが徐々にラファエル前派の画風から離れていったのに対し、死ぬまでラファエル前派の画風を保ち続けたのがこのハントです。ミレーよりも緻密で、画面の隅々まで徹底的に緻密に描かれており、またミレーよりも精確な描写を特徴とします。ハントのテーマは、神の創造した偉大な自然を、キャンバス上で在りのままに再現することでした。卓越した写実力もさることながら、色遣いも鮮やかで巧みですし、すばらしい画家です。

 

2020年:夏のお薦めの1枚 No.2

掲載日:2020年6月3日

088-アーサー王最後の眠り(1898年制作)

088-アーサー王最後の眠り(1898年制作)

―ジョーンズ(Sir Edward Coley Burne-Jones, 1st Baronet 1833-98)ー

 

 ジョーンズは正式のラファエル前派のメンバーではありませんが、ロセッティの下で学び、ラファエル前派の影響を受けています。同時代のイギリス国内の画家を圧倒し、彼のことを【ヴィクトリア朝最高の画家】と讃える者もいました。古典色の強い硬質な画風ですが、装飾性豊かで、しかも暗めの画面ながらも、ところどころ彩りが映えており、彼独自の方法で素描と色彩を両立させています。素描を邪魔しない着色、見事なもんです (。-`ω-) 

 

2020年:夏のお薦めの1枚 No.3

掲載日:2020年6月10日

089-シャロットの女(1898年制作)

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―ジョン・ウォーターハウス(John William Waterhouse 1849-1917)ー

 

 ウォーターハウスはロイヤル・アカデミーの画家ですが、やはり同時期のラファエル前派の影響を受けています。従来の古典的画風を凌駕する卓越した写実力であり、服のひだの細かさは見事なものです。野草の彩りも他の画家の追随を許しません。もっぱらギリシャ神話や文学作品に登場する女性を題材にし、【美女の画家】として名を馳せました。ベルギー、スイス、オーストリアなどの象徴主義の画家たちに影響を与えました。 

 

2020年:夏のお薦めの1枚 No.4

掲載日:2020年6月11日

090-仮面舞踏会(1922年制作)

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―マックス・ベックマン(Max Beckmann 1884-1950)ー 

 

 20世紀前半のドイツ美術において、ベックマンは非常に特異な立ち位置です。というのも、この時期のドイツの画家たちはみな【表現主義】と【新即物主義】の影響下にあるのですが、この2つの影響から離れて独自路線を行ったのは、このベックマンしかいないんですね。ベックマンはアンリ・ルソーの素朴な絵を範に取り、古典的描写を歪めたスタイルを形成してゆきました。「伝統を近代にどのように継承するか」ということを真剣に考えた画家です。

 

2020年:夏のお薦めの1枚 No.5

掲載日:2020年6月15日