チッチの推薦図書

031-祈 る 人(1968年制作)

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―マルク・シャガール(Marc Chagall 1887-1985)ー 

 

 シャガールの絵には、ニワトリ、ロバ、ヤギ、ヒツジなどの動物がちょくちょく出てきます。これにはユダヤ教における【贖罪】としての意味がある(シャガールは敬虔なユダヤ教徒でした)ことはもちろんですが、人間が本来持っている朴とつとした【愛】や【優しさ】といった感情の表現だとも思います。野獣派、キュビスム、シュルレアリスムなど、あらゆる前衛芸術の要素を取りこみながら、また写本における装飾画の影響も大です。 

 

2019年:冬のお薦めの1枚 No.6

掲載日:2019年12月9日

032-マグロ漁(1966-67年制作)

032-マグロ漁(1966-67年制作)

―サルバドール・ダリ(Salvador Dalí 1904-89)ー 

 

 ダリは戦前の作品を紹介されることが多いので、今回は戦後から選んでみました。この【マグロ漁】はダリの画業の中でも頂点を成す大作です。長年培ってきたシュルレアリスムの手法をベースに、スペイン古典絵画の伝統、点描主義、アクション・ペインティング、ポップ・アート、オプ・アート、サイケデリク・アートなど、ダリが研究してきたさまざまなスタイルを一挙に取れ入れ、かつ見事に統合されている奇跡の1枚です。やっぱりダリは天才です (゚д゚)!

 

2019年:冬のお薦めの1枚 No.7

掲載日:2019年12月11日

033-真夜中のナイチンゲールの歌と朝の雨(1940年制作)

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―ジョアン・ミロ(Joan Miró i Ferrà 1893-1983)ー

 

 ミロは1940年から1年かけて【星図】の連作を手掛け始めます。今回の作品はその中で生まれました。黒い線を基調に、音符(♪)やアステリスク(*)に模した記号が散りばめられ、全体の色彩は黒、白、赤、青の4色によって整えられています。右端中央に鳥の形が見られ、その下は熊に見えますね。月は1つではなく複数確認できます。ミロは想像力を働かせ、現実ではありえない不思議な世界をキャンバス上でくり広げたシュルレアリスム画家です。

 

2019年:冬のお薦めの1枚 No.8

掲載日:2019年12月12日

034-雪中の狩人(1565年制作)

034-雪中の狩人(1565年制作)

―ピーテル・ブリューゲル(Pieter Bruegel 1525-69)ー

 

 ブリューゲルといえば【バベルの塔】で有名ですが、冬らしい1枚を見つけました。人や動物や樹々は黒で描かれ、これらが雪の白とコントラストを成しています。また、空と氷の薄い緑青色が良いアクセントになり、冬の光景ながらもきりっとした鮮烈さを感じます。ちょっと浮世絵っぽいですよね。白が多くなると、たいてい色彩や物の迫力が削がれてぼけた印象となるのですが、そこはさすが名画家です。

 

2019年:冬のお薦めの1枚 No.9

掲載日:2019年12月16日

035-庭 師(1590年頃制作)

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―ジュゼッペ・アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo 1526-93)ー

 

 アルチンボルドは【だまし絵】で有名ですね。チッチは2年前の秋に、東京のアルチンボルド展に行き、生の絵を見ました。本作品はもともと左の画像1枚です。この左の画像の【鉢に入った野菜】を上下逆さまにすると、右の画像のように【まるまるとした庭師の顔】になります。長らく忘れさられていた画家でしたが、20世紀に入ってシュルレアリスたちが注目し始めると、再評価されるようになりました

 

2019年:冬のお薦めの1枚 No.10

掲載日:2019年12月17日

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