チッチの推薦図書
176-秋 の 魂(1890年代制作)
―アルマン・ポワン( Armand Point 1860-1932)ー
ポワンは象徴派の展覧会である【薔薇十字サロン】出展してから名が上がりました。ポワンのスタイルは、象徴派とラファエル前派とアール・ヌーヴォーを掛け合わせたもの、といえば分かりやすいでしょうか。同時代のベルギー象徴派画家の大家、フェルナン・クノップフの影響も顕著です。もっぱら古典や中世をテーマとし、女性画が中心だったようです。忘れ去られた画家ですが、ポワンはフランス象徴派を代表する画家として必ず名前が上がる画家です。
2021年:秋のお薦めの1枚 No.6
掲載日:2021年10月28日
177-野を歩く少女(1900年頃制作)
―アンリ・マルタン( Henri Jean Guillaume Martin 1860-1943)ー
マルタンは当初アカデミックなスタイルで描いていましたが、イタリア留学を契機に象徴派的な画風に変わりました。象徴派の時期は、象徴派の展覧会である【薔薇十字サロン】に参加しています。その後、人生の後半は点描を用いたポスト印象派的な画風に変化し、画面がそれまでとがらりと変わりました。後期のルドンの画風に似ています。公共建築物の装飾画を多く手掛け、2人の息子も画家になりました。
2021年:秋のお薦めの1枚 No.7
掲載日:2021年11月10日
178-青いテーブル(1923年頃制作)
―アンリ・ル・シダネル( Henri Le Sidaner 1862-1939)ー
シダネルは印象派、新印象派(点描派)、象徴派の影響を受けながら徐々に独自の画風を確立してゆきます。生前は【最後の印象派】と呼ばれ、それなりに高い評価を得た画家です。題材的には、バラやテーブルなど身近のものを取り上げるアンティミスト(親密派)でした。努力の跡が窺える画家ですね。チッチこういう画家好きです。シダネルが生前最も長く居を構えたジェルブロワ村は、今では【フランスの最も美しい村】に登録されています。
2021年:秋のお薦めの1枚 No.8
掲載日:2021年11月16日
179-あいさつ(1904年制作)
―ウォルター・ラングレー( Walter Langley 1852-1922)ー
フランスのバルビゾン派成立の影響を受けて、1880年代に入ると、イギリスでも明るい外光の下に照らされた農村の風景を描こうと【ニューリン派】が生まれます。ニューリンは漁村なのですが、この漁村に真っ先に居を構えたのが、このウォルター・ラングレーです。最初は水彩画を手掛けていたこともあって評価が芳しくありませんでしたが、徐々に人気が高まり、かの有名なロシアの文豪トルストイも高く評価しています。
2021-22年:冬のお薦めの1枚 No.1
掲載日:2021年12月4日
180-アイリスを飾る娘(1897年制作)
―エドウィン・ハリス( Edwin Harris 1855-1906)ー
ハリスは前回ご紹介したラングレーの友人で、ラングレーの後を追ってニューリン村に移り住みました。同地には12年ほど滞在し、ニューリン派の画家として活動しました。ニューリンに行くちょっと前には、フランスのポン=タヴァンを訪れていて、ポン=タヴァン派の画家たちと交流しています。もともとアカデミック寄りの画風でしたが、ニューリンを離れた後はさらにアカデミックになり、肖像画家として生活しました。
2021-22年:冬のお薦めの1枚 No.2
掲載日:2021年12月27日