チッチの推薦図書

161-カッラーラの海岸(1861年制作)

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―ヴィンチェンツォ・カビアンカ( Vincenzo Cabianca 1827-1902)ー 

 

 マッキア派の第4弾はヴィンチェンツォ・カビアンカです。修道女を多く描いたので【修道女のカビアンカ】として知られています。細やかな筆致による色づかいではなく、セザンヌに似た色面で彩りを出すタイプで、ここがほかのマッキア派の画家と違う点です。この描き方は物だと自然に見えますが、人だと目立ちます。一時期、マッキア派は【失敗した印象派】と低評価でしたが、今では【印象派の10年20年先を行っていた外光派】と評価が回復しています。

 

2021年:夏のお薦めの1枚 No.6

掲載日:2021年6月28日

162-ピアノの練習(不明、1884年以前制作)

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―ヴィト・ダンコーナ( Vitale D'Ancona 1825-1884)ー 

 

 マッキア派の第5弾はヴィト・ダンコーナです。1850年頃からフィレンツェの芸術家たちの溜まり場だった【カッフェ・ミケランジェロ】に顔を出すようになり、特にマッキア派のテレマコ・シニョリーニと仲良くなります。1867年にから7年ほどパリに住まい、初期印象派の影響を多分に受けました。まあ、何点か絵を見たところ、明るい外光的な彩りではなく、むしろ古典的落ち着いた色彩です。

 

2021年:夏のお薦めの1枚 No.7

掲載日:2021年7月6日

163-信 頼(不明、1870年以前制作)

163-信 頼(不明、1870年以前制作)

―クリスティアーノ・バンティ( Cristiano Banti 1824-1904)ー 

 

 マッキア派の第6弾はクリスティアーノ・バンティです。最初は新古典主義の手法で制作していましたが、フィレンツェに出てからマッキア派の手法を取り入れ、明るい画風になります。経済的に恵まれていたので画家仲間を別荘に呼んで息抜きさせたり、仲間たちの絵を収集していました。1861年にパリに出て、バルビゾン派のコローやトロワイヨンに学びます。帰国後は、トスカーナの村の風景を描き続けました

 

2021年:夏のお薦めの1枚 No.8

掲載日:2021年7月12日

164-私のテラス(1865年制作)

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―オドアルド・ボラーニ( Odoardo Borrani 1833-1905)ー 

 

 マッキア派の第7弾はオドアルド・ボラーニです。1859年の第2次イタリア独立戦争に義勇兵として参加。帰還後はフィレンツェ近郊の町を描き、特にピアジェンティーナを描いていたので【ピアジェンティーナ派】と呼ばれたりもします。1875年にマッキア派の画家仲間レーガと画廊を始めますが、長続きしませんでした。後年は展覧会に出店せず、絵画教師、陶器のデザイナー、挿絵などをしながら生計を立てていました。

 

2021年:夏のお薦めの1枚 No.9

掲載日:2021年7月15日

165-晴天の小道(1863~64年制作)

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―ジュゼッペ・アッバーティ( Giuseppe Abbati 1836-68)ー 

 

 マッキア派の第8弾はジュゼッペ・アッバーティです。イタリア統一運動のガリバルディ進軍に参加し、その戦いの中で右目を負傷し失います。最期も狂犬病にかかった愛犬に噛まれ死亡します。32歳でした。写実の迫力と、しかし細部はモランディのようなぼかした色彩と、相反する要素をうまく両立させた独特の風景画を残しています。才能あるだけに早死にが悔やまれます。コローとピサロの中間といった感じで、両者よりはカラッと明るいです。

 

2021年:夏のお薦めの1枚 No.10

掲載日:2021年7月21日